都筑区放課後等デイサービスFORTUNA   身体的な不器用さ

こんにちは。 都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。

 

発達性協調運動障害について6回にわたり簡単に説明してきました。何となくご理解頂けたでしょうか?

 

身体的な不器用さについては、説明した発達性協調運動障害(DCD)におけるものもありますが、色々な要素が複雑に絡み合っており、ただそれだけとは限りません。

発達性協調運動障害は、DSM-5によると神経発達障害群のなかの運動障害群に位置づけられています。この神経発達症候群の中には、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム(ASD)、限局性学習障害(SLD)などが含まれ、発達性協調運動障害はそれらの障害との併存率が高いことが知られています。

 

その他、認知機能に困り事(感覚統合など)がある場合でもみられるのです。

 

認知機能とは、脳機能の中で記憶、近く、注意、言語理解、判断、推論といったいくつかの要素が含まれた知的機能のことを指します。

簡単にいうと、5感(見る、聞く、触れる、匂う、味わう)<*感覚統合の中にも出てきます>を通して外部環境から情報を得て、整理することを認知といい、この認知機能は、全ての行動の基盤となるのです。

 

しかし、もしこの5感からの情報が誤ったものであれば、いくら本人が頑張って計画を立てたとしても、認知が歪んでいるために、結果、不適切な行動をとってしまうことになります。

 

その中で身体的な不器用さに焦点を当ててみましょう。発達性協調運動障害や感覚統合でもお話ししましたが、そのおさらいとなります。

 

不器用な子どもたちの特徴としてよく見られるのが、

・人や物によくぶつかる

・物をよく壊す

・力加減が難しさ

・左右がわからない

・姿勢が悪い

・じっとしていられない

などがあります。

 

感覚統合においては、前庭覚によるボディイメージの発達があります。前庭覚は、身体がどこまでどんな風に動くのかを把握するために必要な感覚です。これらのイメージは前庭覚と固有受容覚が主な土台となって認知機能に作用しています。

そのなかで前庭覚への認知が上手くいかないとボディイメージが不十分になることがあります。ボディイメージが不十分だと物によくぶつかります。(ジャングルジムなども苦手です)左右がわからない場合、先生の真似をしてといって動作をおこなっても真似ができないことがあります。力加減が出来ない場合は、豆腐をそっと持つことが出来ずに握りつぶしてしまうこともあります。

姿勢が悪い子どもの場合は、筋緊張が弱く低緊張の子どもが多く、体幹も弱く、フニャフニャしてしまい真っ直ぐに立つことができません。姿勢が悪くなると手指の巧緻性にも影響が出てきますし、じっと座っていることも難しくなります。

 

手指の巧緻性に問題が出てしまうと独創的な活動(折り紙、切り絵<ハサミをつかう>、ボタンはめなど)も苦手になり、体育が苦手というだけではなく、大なり小なり身辺自立などにも影響を及ぼしてきます。

 

またこの身体的不器用さは、体育が苦手というだけではなく、子どもたちの精神面にも影響が出てくる場合があります。すなわち、体育の授業が上手くできなかったり、細かい作業ができないことを友だちにからかわれたり、自尊感情の低下や周囲からのイジメの原因になったりする可能性があるのです。

 

このように身体的不器用さについては、発達性協調運動障害においてよく見られます。(協調運動とは別々の動作を1つにまとめる運動のことです)

 

FORTUNAでは、別々の動作を1つにまとめるという認知機能にも焦点をあて、日々勉強を重ね、臨床心理士の指導のもと専門的な認知行動トレーニングを行い、認知機能の向上を目指し土台をつくるための支援を行っています。